使用賃借と賃宅地について

使用賃借と賃宅地について考えたことはありますか?当事者の一方が法人で地代の授受はなく無償であっても、本件土地の評価は知音宅地とするのが相当とする裁決事例がありました。これについてみていきましょう。

 

どんな裁決要旨?

請求人ら鑑定評価は、ある土地を使用借権が付着した土地として鑑定評価し、原処分庁は、賃宅地として評価しています。「使用賃借に係る土地についての相続税及び贈与税の取り扱いについて」というものがあり、これを「使用賃借通達」といいます。

これにおいては建物の所有を目的として使用賃借により土地を借り受けている場合においては、借地権の取引に際し、その設定の対価として権利金等を支払うなど借地権の価額は、零として取り扱うよう定めている所ではありますが、使用賃借通達の説明から明らかとなっています。この通達の取り扱いは、個人間の賃借関係の実情を踏まえて定めたものであるため、当事者の一方が法人である場合のその一方の個人については、法人税の課税との整合性を図るため、使用賃借通達による取扱ではなく原則として法人税の取り扱いに準拠して取り扱うこととなります。

 

法人税法上の借地権の設定には、土地の賃借期間、地代の額等についての明確な取り決めをしない、若しくは使用賃借の名の下で他人に建物等を立てさせた場合も含まれるものと解されており、法人税基本通達の13-1-3『相当の地代に満たない地代を収受している場合の権利金の設定』において、通常収受すべき権利金を収受せず、しかも、その収受する地代の額が法人税法施行令第137条(土地の使用に伴う対価についての所得の計算)に規定する相当の地代の額に満たないときは、原則として借地権利金の認定課税を行うことを明らかにしており、その後に土地の借主が借地権を有するものとして取り扱われます。

 

該貸借については借地借家法の適用がないことを当事者双方が充分承知しているものであるときには、税務上もその当事者の意図するところに従って課税関係を処理することが自然であるとの考えから、法人税基本通達13-1-7『権利金の設定見合わせ』において、当事者の一方または双方が法人の場合にも土地の使用賃借があり得るとの立場に立って、当事者が連名で、将来借地を無償で土地所有者に変換する旨を無償返還届出書により税務署長に届け出ることを条件に、権利金の認定課税は行わないことを明らかにしています。

 

これらの取り扱いについては、当審判所においても、土地の賃借関係の実態に沿ったものであり、相続税法及び法人税法の趣旨に照らしても相当な物と認められ、これを本件についてみると、甲は、被相続人からA土地を借り受けるのに際し、権利金及び地代の支払いも行ったことがなく、また、税務署長に対する無償返還届出書の提出もされていないことから、被相続人に係る相続開始時には甲が借地権を有していたものと見るのが相当であり、A土地を賃宅地として財産評価基本通達等に基づいて評価した原処分庁の評価方法は、相当であると認められます。

 

使用賃借と借地権について

他には被相続人と法人との土地の賃借関係についての借地権課税が問題になった裁決事例があります。こちらが裁決事例です。

被相続人とA社との間における本件土地の賃借問題は、昭和33年から相続開始日まで

 

1.両者間において権利金及び地代の授受はなかったこと

 

2.A社は本件土地の公租効果を全額負担していたこと

 

3.A社の賃借対照表には本件土地の借地権に関する記載がないこと

 

などを併せ考えると、本件土地の賃借関係の実体は私法上の使用賃借であると認められたくないが、私法上においては、法人が本来営利追及を目的として設立されるものであり、その活動はすべて合理的な経済人としての立場から行われるべきものとの考えから先ほどの1、2、3の事実には関係がなく、本件土地の賃借が使用賃借の名の下にA社に建物を建築させた場合であっても、借地権相当額の認定課税が行われていたと認めるのが相当であるため、A社には本来土地の借地権相当額が存することとなり、本件土地は借地の設定されていた土地として評価するべきである、と言った内容です。

 

最後に

いかがでしょうか?使用賃借と賃宅地、使用賃借と借地権の話についてよく考えてみましょう。

 

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