【実録】相続トラブルの対処方法②

~20年以上放置されたすえに共有者同士がもめた理由~

 高齢化社会と言われるこんにちですが、遺産相続をめぐるトラブルは増加傾向にあります。故人もやるせない想いでしょうが、トラブルを望む遺族もごく稀なことでしょう。では、どうして?トラブルはおきるのでしょうか。このコラムを通じて、相続前に遺族は何に注意しなければいけないかの参考となれば幸いです。

 

 さて、今回ご紹介する相続トラブルは、故人であるご両親がお住まいになられていた自宅不動産をめぐる紛争になります。当事者のおひとりからインタビューにお応えいただけましたので、ご覧ください。

 

 

 世田谷区に住むMです。今年で88歳になります。お恥ずかしい話ではありますが・・・、私たち兄弟の相続トラブルの内容はこうです。

 

 20年間以上空き家になっている不動産をめぐって問題が起こりました。もともと、母が住んでいた不動産になります。母の他界から兄弟均等に相続にしたことで、5人で共有する不動産になりました。

 

 その後は何事もなく時間は経過しましたが、私たち兄弟も高齢になってきたので、親族で集まる機会をつくりました。そのときに不動産を処分しようという話が持ち上がったことから、3つの問題が起こりました。

 

①『売りたくない者がいた』

そもそも売却したくない者の意見は、母が住んでいたところなので、売却したくないという理由でした。

 

②『全部自分一人のものだと主張する者がいた』

自分の不動産だと主張してきた者は、母の介護から空き家になってからの管理まで自分がやってきたのだから、自分ひとりのものだ。という意見でした。

 

③『認知症の者がいた』

認知症の者は、そもそも本人の希望がわかりません。そのため、成年後見人をつけたうえで、本人の不利益にならないようにしなければいけないとのことでした。手続きには、その者の家族と資産をどのように処理していくか家族会議をすすめてもらわなければいけなかったのです。

 

 いずれにしても、この3つの問題は『解決に時間がかかり』、『当事者間での解決が困難』でした。一方で、あらたな相続が起こる危険性もありましたが、おかげさまで、その問題は起きませんでした。

 

 もしも、この話を先延ばしにしていたら・・・本当にゾッとしましたね。世代をまたいで共有者が増えるわけですから、今回以上に面倒なことになることが想像できました。

 

以上でインタビューは終わりになります。ありがとうございました。

 

(※本件の弊社対応については、別コラムにて)

 

それでは、どうすれば、トラブルを回避できたのでしょうか?

 

ズバリ!トラブルの原因は、不動産を共有の名義で相続したことです。

 

 そもそも不動産は、現金のように分けやすい資産ではありません。したがって、相続をうける予定の方は、対象となる不動産の価値を事前に把握することがもっとも重要です。価値がわからなければ、分けようもありません。

 

 もしも、あなたが不動産をめぐる問題に不安を感じたら、まずはお気軽にご相談ください。あすか地所では、弁護士・司法書士・税理士と、それぞれ専属顧問体制を敷き、不動産売買以外の視点からもあなたのサポートをさせていただきます。

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