私道の境界トラブルと問題点について

みなさんは私道の境界トラブル、またはその問題点について知っていますか?実はトラブルが非常に多いのが現状です。

今回は私道の境界トラブルと問題点について紹介します。

 

 

私道の境界トラブル

私道の境界は宅地の境界と同様にトラブルになるケースが非常に多いです。そもそも境界とは、土地と土地の境目ということになります。法律的には登記記録上の1筆と1筆の土地の境目を「公法上の境界」、隣地と話し合いで決められた境界を「私法上の境界」といいます。

例えば幅が4m未満の道路があり、その中心線が決まってしまうと、その道路の隣接地は大きく影響を受けてしまうのです。それはセットバックが原因とされています。セットバックとは道路の反対側が宅地の場合は、道路の中心線から2mセットバック(後退)する必要がありますし、道路の反対側が線路や崖の場合は、道路の端から4mセットバックしなければいけません。

また、セットバックの位置、有効宅地面積が確定し、それにより建ぺい率を算出するための敷地面積や建物の規模にも影響します。そして都心では土地の坪単価が高額だということもあり、わずかな境界のズレが争いに発展しやすくなるのです。

 

 

私道の境界が決まっていない場合の問題点は?

・私道の境界が未確定の場合は、その私道を公道へ移管するのは難しいでしょう。移管する部分が決まっていない私道であれば、自治体は受け取らないでしょう。

 

・私道の境界について隣接地からの合意が得られない場合は、その決まっていない部分に接する宅地を測量する際に、私道の位置が定まらないと私道に隣接する宅地との境界も定まらず、測量の難易度が上がってしまうことも…

 

・宅地部分と私道部分が分筆されていない土地となっていて私道部分を分筆する際、隣接地の所有者の間で境界位置を確定しなくてはいけません。しかし、境界が決まっていないまま分筆するのは極めて難しいといえるでしょう。

 

・舗装工事や維持修繕工事、排水施設工事などの私道整備に関する助成金や補助金を受けたい場合でも、私道境界が決まっていない場合はそれらを受けられないことがあります。

 

 

境界を確定させる方法とは

〇筆界特定制度

筆界制度とは、土地の所有者の申請に基づいて、筆界特定登記官が民間の専門家である筆界調査委員の意見を踏まえて、現地における土地の筆界の位置を特定する制度です。境界位置に関して関係者の同意が得られない場合は、この制度がいいでしょう。

 

〇境界確定訴訟

隣接する土地の筆界の位置に争いがある場合に限り、裁判により境界線を確定することを求めて訴訟を起こすことで、別名「境界確定の訴え」ともいいます。この訴訟で判決がでれば法的に境界が確定します。境界が確定すると登記することもできます。

 

〇民事調停

民事調停とは調停の一種でもあり、通常簡易裁判所で非公開で行われます。各当事者が裁判所に出向き、第三者の調停委員に意見を述べます。もしも相手が合意しなければ調停は成立しませんが、合意すると裁判を逃れることができます。法律に詳しくない人でも利用しやすいでしょう。

 

〇所有権確認訴訟

私法上の境界を決定するための訴訟です。この訴訟で判決がでれば土地の所有権の範囲が確定します。所有権確認訴訟は司法上、境界確定訴訟は公法上となります。

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