私道の調査といっても数多くの調査方法があります。今回は権利関係について調査する方法について紹介していきます。
私道の調査について
私道の調査は
・建築基準法上の調査
・権利関係の調査
・上下水道やガスなどの埋設管の調査
・現地調査
と、大きく分けて4つあります。
こうして名前だけ聞くとすべてがバラバラの作業のように感じてしまいますよね。しかしそれぞれがすべてに関係しているのです。
権利関係の調査
不動産の権利関係は法務局で調査しています。法務局にある登記簿謄本を取得することで行います。登記簿とは公示されることを前提とした制度となっています。備え付けの申請書に必要事項を記入して、手数料相当額の登記印紙を貼って申請すると登記事項証明書の交付申請や公図・地積測量図などのコピー・閲覧・写しの交付申請ができるのです。
〇調査方法
・対象地の地積測量図がなかった場合は、公図で隣接地を確認してから隣接しているすべての土地の地積測量図を申請するという方法があります。
・調査対象としている場所の地番で申請する方法もあります。しかし中には地番がわからないということもあるかもしれません。そういったときは法務局にある地図の図番をチェックしてから、公図の写し・登記事項証明書・地積測量図の写しを申請しましょう。ただし、こちらは有料で、必要な金額分の登記印紙を購入する必要があるので、注意しましょう。
法務局では下記3つについて調査しています。
・公図の写し
対象地と隣接する土地の調査
・登記事項証明書
対象地の所有者について、抵当権などがあるかないか、地役権があるかないかの調査
・地積測量図
対象地の面積、宅地と接している部分の長さを調査
公図とは
公図とは登記所についてある不動産登記法17条の「地図に準する図面」のことを指しています。土地の位置を特定することはもちろん、区画・地番も特定したり境界線が直線であるかどうか、その土地がどのような感じで位置しているかという確認ができます。
しかし公図は距離や角度、面積などの定量的な面では精度が低いといわれていて、地形または大きさが現物と違うこともあるのです。
〇地番がない土地も…?
通常の土地には地番はついていますが、中にはついていないものもあります。そういったものは無地地番といわれていて、登記簿もありません。無地地番は官(国)が管理しています。
一般的な土地でも地番がない土地もあり、地番脱落地といわれています。
登記事項証明書とは
登記所において発行される登記記録に記録されたことすべて、または一部を証明している書面のことをいいます。今までは登記事項が記載されたもののことを「登記簿」と呼んでいましたが、現在は帳簿のデータ化が行われていて登記簿がデータ化されたもののことを「登記記録」と呼んでいます。これに伴い「登記簿謄本」と呼ばれていた登記簿の写しも「登記事項証明書」と名称を変えたのです。対象地の所有者や抵当権があるかないかなどの権利調査をするために必要なものとなっています。
〇登記事項証明書と登記簿謄本の違いについて
登記所ではコンピュータで処理しています。登記事項は磁気ディスクに記録されてその内容を用紙に印刷し、証明したものが登記事項証明書といいます。
その反面コンピュータで処理していない場合は、登記事項を直接的に登記用紙に記載していて、その用紙を複写して証明したものを登記簿謄本といいます。名称は違っていますが、どちらも証明内容は同じになっています。
地積測量図とは
地積測量図とは一筆または数筆の土地の地積を法的に確定した図面のことをいいます。法務局に保存されている地積測量図ならば誰でも閲覧・写しの交付を請求することができます。具体的にいうと、分筆登記または地積更正登記払い下げのための表題登記の申請の際に面積の根拠を記すために作成するものです。
地積測量図は地積はもちろんですが、土地の正確な形状や境界線の位置、地積の求積方法なども明らかにしてくれます。