築年数が古くなるにつれて、入居者(部屋を借りるお客さん)が限られる傾向(高年齢や生活保護者など)にあるようです。一方で、少子高齢化に伴う人口問題から、全国的な空き家の増加について、注意しておく必要があります。
●空き部屋
いうまでもありませんが、アパートの空き室が多ければ安定した収益が上がらないため、赤字経営の原因になってしまいます。利回りは安定した入居率と家賃収入が目安となるため、いかに満室に近い水準で維持していくことが重要です。一方で、入居者を増やそうと賃料を下げ過ぎると利回りの低下を招き、アパート経営の事業収支を圧迫する恐れがあります。
空室に入居者を獲得するためには、その土地の風土や慣習、人口の変化などを把握することが重要です。入居者が求める設備やサービスを提供することを心掛けなければなりません。したがって、あらたにアパート購入を検討する際には、黒字収益を見込めるかどうか、事前に周辺家賃相場などの調査を行い情報収集することが大切です。
●メンテナンス(リフォーム・修繕)
築年数が古くなれば、建築物(外壁や屋根、給排水管など)の劣化を抑えるためにリフォームや修繕をはじめ、設備(給湯器やエアコンなど)の修理や交換にかかる費用を想定しなければいけません。
設備の故障や点検、交換が必要な事態となれば、対処しなければいけません。いつ起こるかわからないトラブルのため、対応に困惑するアパート所有者も少なくはありません。そこで、不動産管理会社に委託する事も有効な手段といえます。この場合、管理料が発生することが一般的です。また、空き室への入居者の斡旋を依頼した際には、仲介手数料や広告宣伝費がかかることも念頭に入れておく必要があります。
●震災
地震や火事などの災害リスクも見逃せないポイントです。古アパートは、地震保険の加入に際して、新しい建築物と比べて、高い保険料の提示を受けることが多いため、コストと照らし合わせた判断を求められます。保険に入らずに、震災などの害に見舞われた場合、アパート経営そのものが破綻してしまうといった危機についても注意しなければいけません。
●売却
売却に時間が掛かるというリスクがあります。アパートだけでなく、不動産は売却に時間がかかります。
特に駅から遠い場所や、人口が減少傾向にある過疎地や開発の遅れた地域は、購入希望者は少なくなります。また、社会情勢や経済状況に大きく影響を受けるため、希望する価格で売れないだけでなく、大幅なマイナスになってしまうこともあります。
売買の価格が成立した後でも、不動産引渡の条件や時期の調整に時間がかかることがあります。
購入希望者の多くは、購入後は速やかに新たな建築物を建てることが目的であるため、入居者がいる建築物の取引は敬遠されます。
所有者といえども入居者がいる限り、建て壊すことはできませんし、一方的な都合で、貸している部屋の退去を迫ることもできません。そのため、古アパートの所有者は、希望する売却の時期までに入居者に立ち退きの約束(立退き交渉)を取り付ける労力と費用がかかることが最も大きな障害といえます。
●入居者の声
実際には、古アパートを保有する側には多くのリスクがあり、デメリットに感じる一方、入居者からは、こんな意見があります。
・築年数が経過している(古い)ため、家賃が安い。
・リフォームやリノベーションを行っている物件があるので狙い目だ。
・内装も古いのかと思ったが、内装がきれいだった。
・広めの室内で、収納(押入れや天袋付など)があるので便利だ。
・畳のサイズが近年と違い、大きい物を使っているため部屋のつくりが少し広い。