●概要
建築基準法とは建物を建築するうえで最も基本となる法律です。
国民の生命・健康・財産の保護のため、建築物の敷地・設備・構造・用途について、その最低基準を定めた法律です。
遵守すべき基準として、個々の建築物の構造基準(単体規定、具体的な技術基準は政省令等で詳細に定められている)と、都市計画とリンクしながら、都市計画区域内の建物用途、建ぺい率、容積率、建物の高さなどを規制する基準(集団規定)とが定められていて、これらの基準を適用しその遵守を確保するため、建築主事等が建築計画の法令適合性を確認する仕組み(建築確認)や違反建築物等を取り締まるための制度などが規定されています。
簡単にまとめると建築物の構造や設備、敷地、それらの用途に関する最低限の基準となる法律で、国民の生命や健康、財産の保護を図って、公共福祉の増進を資するということを目的とした法律です。
●詳細
建築基準法は大きくは『総括的規定』と『実態的規定』に分けて構成されています。
『総括的規定』では、建築基準法の目的や用語の定義などがあり、手続きや罰則等に関する規定を意味する手続きが記されています。
『実態的規定』では、建築物の使用用途や規模などに応じて求められる構造を定めています。
建築基準法の具体的な内容は、地震が多い日本において、地震に対する建物の強さを確保するための基準などがあります。建築物を建設する際や建築物を安全に維持するための技術的基準などの具体的な内容が示されています。
建築基準法が日本国民の生命・健康・財産保護の最低基準を指し示す方針を掲げているのに比例して、建築基準法施行令では、建築基準法の規定を受けて、規定を実現するための具体的な方法や方策が定められています。
また、建築基準法は国民の生命や健康の保護するための基準ということで、地震以外にもシックハウス症候群対策などの規定があります。有害物質を発散しない建材を使う事が義務で、建築確認審査などで審査されます。
建築基準法の対象は住宅ばかりではなく、物置や車庫なども含まれています。建ぺい率や容積率など気をつけなくてはなりません。もともと増築を計画している場合は、新築の時点で増築が可能なのかを確認しておくことが大切です。
★建築基準法とは、最低基準を定めた法律のため、建築主や設計者、施工者はこの基準法が確保されることはもちろんですが、可能な範囲において基準以上に建築物の質の向上が図られることが望ましいのです。