●概要

　四方を他の土地などに囲まれ、全く道路に接していない土地を袋地（ふくろち）といいます。また、周囲が他人の所有地で、そこを通らないと道に出られない土地の事ともいえます。

 

　一方で、この袋地を囲んでいる土地の事を囲繞地（いにょうち）といいます。

 

 

●詳細

　囲繞地とは、袋地と呼ばれる公道や私道に接していない土地の事で、その袋地を囲んでいる土地の事をいいます。また、池や沼、河川、水路、海などを通らなければ公道に出る事ができないか、崖がある事で高低差がある土地の事を「準袋地」といいます。

 

　民法においては、囲繞地を通行しない限り公道や私道に出れない場合は、囲繞地を通行する権利は認められています。

 

　したがって、袋地の所有者や賃借人、そこに住んでいる人は、囲繞地の所有者に承諾を得ることなく囲繞地を通って道路に出ることができます。

この通行する権利の事を囲繞地通行権といいます。

 

　私道設置の根拠法ともなっており、通行者は囲繞地の所有者に対して、通行権を行使することの代わりに「通行料の支払い」や「通行できる土地の利用制限」が義務となり、囲繞地の所有者の損害が最低限とならなければなりません。

 

　民法と刑法における囲繞地の意味は異なり、民法上においては、上記にあるように他の土地に囲まれて公道や私道に通じていない土地（袋地）にとって、その土地を囲んでいる土地の事をいい、刑法においては、柵等で周囲を囲んでいる土地の事をいいます。

 

　不動産業界においては、道路との間に細い路地状の部分（通路）を持ち、主たる敷地の大部分が道路と接していないような土地の事も袋地という場合もあります。